金魚の恋
kazukoの婆ちゃんが、呼びに来た。

湯たんぽみたいなもんの上で、肉をジューッ!
上手かったぁ、ほんとに。何の肉なんだろう? 牛かな、それとも、猪かっ? 
とに角、たらふく喰った。

「若い人の食べっぷりは、気持ちいいのお。たーんと、食べなんせえ」
どんどん、俺の前に並べてくれた。
「野菜も食べなきゃだめよ!」
kazukoのお節介がなかったら、どれだけ食べたやら。

太鼓腹になっちまった。お腹を叩いたら「ポンポン」って、いい音がした。

来た甲斐があった、一時間近く走らせたもんな。
段々淋しくなる道でサ、人家もまばらになって。ちょっと不安になっちまった。

ヘッドライトで照らされる所しか、見えないんだぜ。
カーブなんか、田んぼに落ちはしないかって、正直不安になった。
kazukoは、ナビゲーターよろしく指図するんだけど、直前になって言うもんだからさ、慌てふためくよ、こっちは。

「下手くそねえ! お父さん、スイスイよ」って、ぬかしやがるし。
こっちは、初めての道なんだよ、全くう。
でもまあ、一段と近付いた感じだ。
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