愛合傘Ⅱ~出会うことで始まる物語~
「星、掴めないかな。」
「ボール、上げよ!」
草むらでさゆりがバレーボールを空高く上げた。
暗い星空に力いっぱい上げたバレーボールはまるで月が落ちていくようで。
「ジャングルジム、上って見た方が近いかも。」
田中君がジャングルジムに掴んだ。
私達4人でジャングルジムに上り、見上げると、また景色が変わるのだ。
下を覗くと点々とした町明かりが灯っている。
「星、綺麗だね。」
桜の花びらが横をすれ違った。
「あれが、北斗七星だ。」
「デネブ、あったよ!」
4人で星空に向かって指をさす。
それが秘密基地のようでくすぐったい気持ちだ。