愛合傘Ⅱ~出会うことで始まる物語~
「今までで、うちのことちゃんと分かってくれたの。だから嬉しくて、惹かれて。」
「あの人、いつも笑っているから心象が分からないわ。」
理子ちゃんだ。
でもね、ひかるちゃんの事は好きだったんだよ。
両想いって素敵な事でしょう?
好きだから、側に居たいんだよ。好きだから大切にしていたんだよ。
「それでも好きだったから、我慢出来たもん。」
そう、私も圭太が好きだったから例え理子ちゃんと付き合っていたと知ってた上で気持ちは変わらなかった。
辛くて辛くて現実が嫌になるほど、耐えて耐えて…。
「でも田中君は戻ろうとしていたんでしょう?」
なんで?好きなら戻れたのに。
「気持ちだけで嬉しかったから。うちのせいでダメにさせたくなかった。もう決めたことだったの。戻らないって。」