*ティファニー*
私は震えていた。
予測できない未来が怖くて。
今まで、ある程度先を見越して、
未来に目標を見据えて、
それに向かって歩くような
そんな生き方をしてきたつもりだったのに。
この先どうなるのか
怖くて仕方がない。
でも、まだ決まったわけじゃない。
――いや、私の予感は当たる。
家族がみんな外出して静かな家。
小さな窓からは、夕日が虚ろに差し込んでいる。
狭いトイレの中。
蓋を閉じた便座に座ったまま、震えが止まらない。
吐きそうな緊張と共に、手の中の細長いプラスチックを握りしめた。