白色なみだ .*
ーーー…
「ただいま~」
家に帰ると、
真っ先にキッチンに向かう
「お母さん、パウンドケーキを作るの
この教科書通りに練習するんだけど…
手伝って~」
リビングでくつろぐお母さんに
ヘルプを求める
「ん~…、千佳、おかえり~」
「ただいま~…じ、じゃなくて
パウンドケーキを作るの手伝って」
のんびりとするお母さんは
ゆっくり立ち上がって
キッチンまでやって来た
「…なんで、パウンドケーキなの?」
キョトンとするお母さんに
慌てて、答える
「え、えっと…
調理実習の練習…だよっ」
「そっか~、よし、やろっか」
「おねがいしますっ」
腕捲りするお母さんに
ペコッと頭を下げて、私は意気込む
よしっ、がんばるぞっ
絶対、失敗しないように練習しなきゃ…