白色なみだ .*
白色
1人になった教室で、
私はボーッとしていた
「…確実に、失恋しちゃった…」
思いを伝えることなく
終わった、私の初恋
甘酸っぱくて…
苦しかったり、辛かったり
でも、思い出すのは
嬉しかったことばかりで…
これで…
よかったんだよね…
ーーーガラッ
教室のドアが開く音がして
パッとふりかえる
「…池田くん…」
池田くんは、ゆっくりと
私のほうへ歩いてくる
「…お前、泣きそうな顔してる」
眉を寄せて、私の顔を覗きこむ池田くん
「…え…?」
な、泣きそう…? 私が…?
「…泣けよ」
優しく、私の頬を撫でる仕草に
私の目から一筋の涙が溢れる