白色なみだ .*
「おはよ、加藤」
隣の席の男の子に挨拶されて
慌てて、顔をあげる
「お、おはよう…一之瀬くん」
一之瀬優真くん
スラッとした身長に
通った鼻筋、切れ長の綺麗な二重
誰もが見惚れてしまう、その容姿
彼は、ニコッと笑って
机にカバンを置くと
女の子に呼び出されて教室を出ていく
「…あれは、告白だろうなぁ~…」
一之瀬くんの出ていったドアを見つめて
呟く彩花ちゃん
「…千佳」
彩花ちゃんの声に顔を向ける
「好きなんでしょ、一之瀬くんのこと」
真剣な表情で、
私を見つめる彩花ちゃん
「…うん」
私は、一之瀬くんが好き
誰にでも優しくて、明るい笑顔に
いつのまにか恋してた
中学校で芽生えた、私の初恋…
特別仲がいいわけじゃなく
お互いに、少し話すくらいの関係
でも、
ちょっと話せたのが嬉しくて…
挨拶できただけで、幸せで…
この‘好き’は、どんどん膨らむばかり…