白色なみだ .*
ーーー…
2時間目の数学の時間、
先生が出張で自習になった
「…ふぁあ~…」
眠たいなぁ…
大きなあくびをして、
教科書をペラペラめくっていると
「加藤、相談のって?」
突然、呼ばれた名前に振り向くと
顔の前で手を合わせて
お願い、と言う一之瀬くん
「い、いいよっ、私でよければっ」
慌てて、姿勢をただして
一之瀬くんと向き合う
「…佳奈さんさ、
好きな人いるみたいなんだよね…」
「…えっ」
佳奈さんとは、
一之瀬くんの好きな人の名前
私は、突然のことに目を見開く
「ど、どういうこと…?」
「好きな人いるんですかって、
この前聞いたら…
恥ずかしそうに、うんって…」
眉を下げて、一之瀬くんは
寂しそうに笑った