白色なみだ .*
「で、でも
誰かは分からないでしょ…?」
「うん…、けど
俺のこと眼中にないみたいだし…」
「そ、そんなことないよっ
一之瀬くん、かっこいいもんっ」
慌てて、フォローしようと
口から出た言葉に
いまさら、恥ずかしくなる
な、なに言っちゃってるんだろ私…っ
赤面して、
否定しようとする私に
「…ありがと、加藤は優しいな」
そう言って、一之瀬くんは笑った
トクン、
その切ない笑顔に
胸の奥が高鳴る
「もう少し、俺がんばるな」
私の頭をポンポンと撫でると
ガッツポーズをする一之瀬くんに
私も、ガッツポーズをして笑う
泣きそうになるのを、我慢して…