翼の生えたシンデレラ
え?スポッ⁇


音の正体に気付いたときには

白いヒールが列車とホームの間に
落ちていた



「発車します
ドア付近の方はお体をお引き下さい」


「すみません!降ります‼」


プシューーーーーッ





ドアが閉まる直前
間一髪のところで列車を降りた

…のは良かったけど


ガラス窓一枚隔てた乗客の視線を
痛いくらい浴びて、思わず苦笑い…



列車は走り出し


右足のヒールを落として
左足一本で立つ自分だけが

広いホームに取り残された
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