翼の生えたシンデレラ
「こちらの靴でよろしいですか?」


「はい、すみませんでした
ありがとうございます!」


駅員風の彼が
白いヒールを受け取る


ホームにいる乗客の視線が
彼に集中した


そりゃそうだ

大の男には不釣り合いな落し物を
手にしているのだから


申し訳ない…!

本来その視線を浴びるのは
あたしなのに‼



そして列車遅延のアナウンスが流れ
少し経って次の列車が到着した



乗客が乗り込んでいる間に
あたしの所へやって来た彼は

足元にそっとヒールを置く



「迷惑かけてすみませんでした!

本当にごめんなさい‼」


あたしはただただ
頭を深く下げることしかできない…
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