銀猫ー最強歌姫の再来ー
「本当だー。どうしたんだろうね。こんな人通りの少ない建物の近くで。」

 それは雨の中、傘もささずに突っ立っている女性だった。

「このあたりは幽霊がでるって噂だから、もしかしてそれなんじゃないか?」

「ちょっとタク、そう言うのやめてよねー!」

「ははっ、どうせ冗談だろ?」

 そう言って、ルイは窓を閉めた。

 その瞬間、コンコンと建物の入り口のドアを叩く音が聞こえてきた。

 その音に、メンバー全員が顔を見合わせた。

 そして、ルイは一回だけ頷き、「俺が行く」と、アイコンタクトした。

「…誰だ?」

 ルイは警戒しながらドアに近づいた

 ここは二階にある、族の中でも階級の高い奴しか入れない部屋。

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