銀猫ー最強歌姫の再来ー
 暫くして、あの建物の敷地内へと入った。

 奏雨は猫の姿から人間の姿へと戻り、走って裏口へと向かった。

 そして二階の、皆が集まる広間へと向かい、ドアを開けた。

「カナ、遅かったじゃないか。びしょ濡れ……ってうわぁあ!カナ、ちょ、向こう向いて!」

 タクはそう言って、「タオル、タオル!」と、顔を真っ赤にさせながら行ってしまった。

 確かにタオルは欲しいが……って

「うわぁ!ヤバッ!」

 服が濡れて、身体が透けて見えているのに気がついた。

 (私っ、こんな格好で皆の前に…!?)

 それを思うと、とても恥ずかしくなった。
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