銀猫ー最強歌姫の再来ー
 その時。

 一瞬だが、何かが“匂った”。

 それは、明らかに今自分の隣にいる桜庭陽樹からだ。

 この匂い…まさか……。

 (陽樹は……能力者の素質を持っている…!)

 奏雨が感じた匂い。

 それは、能力者が持つ独特の匂いだった。

 (この匂いの段階だと、まだ目覚めはしていないみたい。いつ目覚めるんだろう…。)

 奏雨はそんな事を考えながらも、陽樹の顔をじっと見つめた。「貴方…人の事探るの好きだね。」

「んー。まぁ、こう言うのが僕の仕事だからね。」

 きっと、彼の能力は心理に関わるモノだろうと奏雨は思った。

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