銀猫ー最強歌姫の再来ー
「うわぁ…」

 陽樹に続いて校長室へ入った奏雨は、その広さと綺麗さに小さく声をあげた。

 艶やかな木製のインテリアは、クールな雰囲気を醸し出し、壁はレンガとタイル張りで出来ていた。

 奏雨は思わず見とれたが、気を取り直し、この部屋の一番奥にいる校長へと向かい、歩き出した。

「おお、初めまして。私はこの條玲高校の校長、東條玲ートウジョウ アキラーと言います。よろしくお願いします。」

 見た目は温和で、朗らかな感じだ。

 奏雨は、「よろしくお願いします。」と返し、もう一度部屋の中を見渡した。

 すると、玲は奏雨のそんな行動に気付き、微笑んだ。

「いいだろう?このインテリア。実は私は凄く気に入っているんだ。」

「はい。私、金属製よりも、自然な木製の方が好きなんです。木の香りも良いですね。心が落ち着きます。」
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