銀猫ー最強歌姫の再来ー
「んじゃあ、まずは50メートル走だな。」

 奈都がそう言って、生徒達に準備を手伝ってもらおうとしたとき、奏雨は奈都に話しかけた。

「奈都兄。50メートル走さ、1人だと張り合いなくてつまんないからさ、このクラスで一番速い人と走っても良い?」

 奏雨が、何となく声量を下げてそう言うと、奈都は準備をしながらすぐに返事をした。

「あぁ…。いいぞ。このクラスで速いのは…佐倉だな。」

「分かった。ありがとう。」
 
 奏雨はそう言って、ルイの方へと駆けていった。

「ねぇ、ルイ。今からこの50メートル走一緒に走ってもらってもいいかな?」

「は、俺?俺でいいのか?他にもいるだろ。」

「ううん。このクラスで一番速い人じゃないと意味がないの。ほら、張り合いがないじゃない?」
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