【短編】フィガロの葉桜
それから数年が経ち、ネロは精悍な青年へと成長をとげた。
しかしフィガロに取っては面白くなかった。数年前まではフィガロより低かった筈の背丈はいつの間にやらあっさりと抜き去られたからである。
「しかしフィガロはいつまでも出会った時とまるで変わらないね」
「あら。それは若く美しいって事かしら?」
両頬に手を当てフィガロは自身の容姿を褒められると、さっきまでの怒りはどこえやら。うふふと奇妙な笑い声をあげた。
「うん。頭の方も変わりない」
背に、魔女の紋様が刻まれたブロードソードを背負う。
子供だった頃に比べれば見栄えは段違いに良くなった。
それに剣の腕も抜群に成長したと思う。比べる相手がいないから自身の腕前はわからないが、子供の頃よりかは間違いなくマシだ。
「やばいなぁ。比較対象が子供の頃の俺しかいないや」
「え?何か言った?」
「いんや。なんでもないよフィガロ」
最後に、樫のテーブルの上に置かれた革製のバックを肩腕掛けすると、準備は整った。
しかしフィガロに取っては面白くなかった。数年前まではフィガロより低かった筈の背丈はいつの間にやらあっさりと抜き去られたからである。
「しかしフィガロはいつまでも出会った時とまるで変わらないね」
「あら。それは若く美しいって事かしら?」
両頬に手を当てフィガロは自身の容姿を褒められると、さっきまでの怒りはどこえやら。うふふと奇妙な笑い声をあげた。
「うん。頭の方も変わりない」
背に、魔女の紋様が刻まれたブロードソードを背負う。
子供だった頃に比べれば見栄えは段違いに良くなった。
それに剣の腕も抜群に成長したと思う。比べる相手がいないから自身の腕前はわからないが、子供の頃よりかは間違いなくマシだ。
「やばいなぁ。比較対象が子供の頃の俺しかいないや」
「え?何か言った?」
「いんや。なんでもないよフィガロ」
最後に、樫のテーブルの上に置かれた革製のバックを肩腕掛けすると、準備は整った。