【短編】フィガロの葉桜
光の一切を拒み、人々から魔の住まう魔界の森と呼ばれ忌み嫌われる大樹海
『アランクディ大樹海』
その地の奥の奥の最奥部、既知の外界に存在する秘境の地。
そこに少女はいた。
まだ十歳をいくつも過ぎない位の少女は秘境を歩き続けていた。
少女の体には傷が幾つもある。長い事歩いているのだろう。
それにいささか痩せ過ぎている。その体はわらのようで、水気がまるでない。
風でもって吹けばそのまま倒れてしまいそうだ。
しかし少女は倒れる事なく、歩き続ける。
その手に兄の首を持ちながら……。
『アランクディ大樹海』
その地の奥の奥の最奥部、既知の外界に存在する秘境の地。
そこに少女はいた。
まだ十歳をいくつも過ぎない位の少女は秘境を歩き続けていた。
少女の体には傷が幾つもある。長い事歩いているのだろう。
それにいささか痩せ過ぎている。その体はわらのようで、水気がまるでない。
風でもって吹けばそのまま倒れてしまいそうだ。
しかし少女は倒れる事なく、歩き続ける。
その手に兄の首を持ちながら……。