私の身体と心
やっぱり稼いでいる人は住んでいる所も違うんだな。

エレベーターはどうも最上階まで行くようだ。

「凄い所に住んでいるのね。」

私はポツリと言った。

「親の持ち物なんだ。」

そう言いながら、彼はキーでドアを開ける。

「さっ、どうぞ。コーヒー入れるよ。座ってて。」

そう言われ、リビングのソファに座る。

家具もお金が掛かっているような上等な物に感じた。

きょろきょろしていると、くすっと笑いながらコーヒーを差し出す彼。

「侑希、ごめんな。実はつい数時間前に日本に着いた。タイの工場でアクシデントが有って、急遽あちらへ飛んだ。向こうに着いて、侑希にメールしようとしたら、プライベート用のスマホを日本に忘れた事に気が付いたんだ。」

そう言いながら、スマホを取り出す。

「仕事用のスマホには、さすがに侑希の連絡先は登録していなかったから、焦ったよ。でもすぐ帰国するつもりだったから、すぐ連絡出来ると思っていた。」
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