私の身体と心

私を見つめて話す彼。

「処理の目途が立って、そろそろ帰国しようとしたらアメリカにいる両親に急遽呼び寄せられた。」

「会社を休んでたの？」

恭弥の両親の話は、初めてだ。

あんなにお互いの事を話したつもりだったのに。

「いや…、侑希にもう少し話したい事があるって言っただろう？それは両親の事なんだ。そしてそれは俺の将来にかかわってくる。」

「どういう事？」

私には全く話が見えない。

「実は俺が勤めている佐野電化の社長はうちの親父なんだ。」

「え、えっ～？」

私はいっぺんに酔いが醒めてしまった。

日本有数の家電メーカーだよね…。

「あまりに強引な呼び寄せに嫌な予感がしながら、あちらに飛んだ。そうしたら、あと数年のうちに自分は俺に社長を譲って、会長になるって言うんだ。そしてたくさんの見合いの話をし出したんだ。社長就任時には、結婚している事が条件だと。」