私の身体と心
すると彼は話を戻した。

「でも侑希はちゃんと社長夫人は務まると思うよ。まず侑希は英語が出来る。もしかしたら、他の言語もかじっているんじゃないのか?」

「うん、日常会話ならフランス語とドイツ語くらいは…。」

それに頷く恭弥。

「それに侑希の仕事ぶりを聞いていたら、侑希は仕事でかなりその能力を必要とされている。仕事の能力が高いってことだ。それは侑希の愚痴から、ひしひしと感じてた。それは俺のパートナーとして、十分な物だと感じている。でも、申し訳ないけど、結婚したら退職してもらわないといけない。それは出来ない相談なのかな?」

「私、今の今まで会社を辞めるなんて考えた事もなかったから。」

私はあまりにも思いがけない話に戸惑っている。

「俺は今年28歳になった。これから数年社長になる修行として、親父の片腕となる。侑希にはプライベートだけじゃなく、俺の仕事のパートナーにもなってほしい。俺の秘書になると、ずっと一緒に動く事になるぞ?この辺の細かな条件を親父といろいろ詰めるのに、こんなに時間がかかってしまった。」

どうも彼は私の反応を伺っているようだ。

「でもどれもこれも侑希が首を縦に振ってくれないと、無駄だったことになる。」

「ねぇ、一つ聞いていい?」
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