私の身体と心
「恭弥、大丈夫?」

私は車に乗り込むと、恭弥の方を心配そうに見た。

「仕事関係でもこんな緊張したことないかも。」

苦笑いの彼の顔は、珍しく不安気だ。

それだけ会話すると、静かになる車内。

「あのね…。」

その空気を取り払おうと、私は知らず知らずに話していた。

両親の事、小さい時の事…、その他私の些細な事を思いつくまま。

「侑希、ありがとう。そんなにしゃべって喉乾かない?」

いつの間にかくすくす彼は笑っている。

「そんなに一方的にしゃべってる侑希を見るの、初めて。」

私は思わず両手で自分の口を押えた。

「とっても新鮮。」

満足そうに微笑む彼。

そろそろ高速を降りるインターが近づいてきた。
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