私の身体と心
「私から誘っても、時間が合わないんだからしょうがないじゃない。」
そんな彼の視線を切って、私は答える。
「それは悪いと思ってるよ。でも会いたいと思った時は正直に誘ってほしいんだけどな。」
会う様になってから、彼は自分の事をぽつぽつと話した。
どうも隠すつもりはないみたい。
「私にそんなプライベートの事しゃべって大丈夫なの?」
あまりにも無防備な彼にそう言った事がある。
すると彼は笑いながら言った。
「俺は侑希を信用しているからな。」
当時私はまだ彼に対してまだ用心していた。
だから最低限の事しか、彼に自分の事を話していなかった。
彼は話の中で、自分のフルネームや会社名、そして家族構成なんかを隠さずに話してくれる。
でも肝心な自分の気持ちは話さない。
出会いたての頃、抱かれている最中に一度だけ聞いた事がある。