私の身体と心
社内でプレゼンされて採用となった案があったとする。

一応プレゼン用の原稿は本人が作成するが、いざプロジェクトにかかわる人間に頒布するとなると、かなり分かりにくい点が出てくる。

うちはプロジェクトごとに部署は問わずに、メンバーが選ばれる。

だから社内のどの部署の人が読んでも分かるような資料作りが必要となる。

それが私の仕事。

よって私は会社内の事を広く浅く知識として持っていなければならない。

こちらの部署で通じる単語が、あっちの部署では通じない事が有ったりするから。

「お前はすべてのプロジェクトにかかわっているわけだよな。すごいよな。」

珍しく村木が私を褒めるようなことを言う。

「でも会議で内容はかなり変わるから、結局結論は分からないままだけどね。」

私はフフフと笑う。

そのプロジェクトのたたき台を作る仕事なのだ。

結構頭を使う仕事の為、愚痴や弱音を吐きたくなる。

そういう相手を恭弥さんにしてもらっている。
< 23 / 141 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop