私の身体と心
村木は書類をヒラヒラさせる。

「ありがとう。」

私はそれを受取ろうとした。

しかし村木はひょいとそれを避けた。

「この書類が欲しかったら、今晩付きあえよ。」

「それはずるいわ。」

私は肩を落とす。

「こうでもしないと、了解してくれないだろう。」

ニヤニヤと笑う村木。

「課長に村木が書類を渡してくれないので、仕事出来ませんって言ってくる。」

「おいおい。」

そう言って村木は渋々書類を渡そうとする。

その姿につい気を許してしまった。

村木が私のポケットから、スマホを取り上げた。

「これが人質な。飲みに付きあってくれたら返してやる。」
< 27 / 141 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop