私の身体と心
一つの事を除いて、隠す事もない私は質問に淡々と答えた。

村木には詳しく話さなかったお酒の席で起こった苦い苦い思い出も。

「そんな事があったんだ。確かに誰かとお酒を飲みに行こうと思わなくなるよね。」

聡美は同情するかのような表情をする。

「みんながそんな人ばかりじゃないと分かっていても、そんな気にならなくて。」

私は暗い顔をしているのかな。

「辛い事思い出させてごめんね。でも私と村木とは安心してお酒飲みに行こう。そしてその記憶を忘れるぐらい、楽しい時間を過ごそう。」

とっても嬉しかった。

聡美に話してみて良かった。

でもセフレが居る事は、やっぱり話せなかった。

本当は聡美にいろいろ恭弥さんの事を相談出来たら良いのにって感じながら、でもこれはやっぱり自分の中に収めておくことだと思った。

聡美は大満足で帰って行った。

私も聡美との距離が本当に近づいたような気がした。
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