私の身体と心
「良い目の保養だったね。」

外回りから帰ってきた女の先輩達が話しながら入ってくる。

そろそろ定時になろうとする頃。

「どうしたんですか?」

聡美が興味津々で先輩に近寄って行った。

「それがさ、うちの会社の前で良い男が立っててさ。誰を待ってるんだろうね。」

「それってどんな感じの人でした?」

聡美もにこにこ聞いている。

「いかにもスポーツマンって感じで、スーツ姿が様になっててさ。」

「侑希、もしかして…。」

多分恭弥さんだ。

私は慌てて片づけをする。

「私、お先に失礼します。」

バタバタと走り出す私に、先輩や聡美の声はもう届かない。

やっぱり…。
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