私の身体と心
「仕事、もういいの?」

そこには見慣れた顔。

でもこんなスーツ姿を見るのは初めてだ。

「何でこんなに早く…。」

私は息を切らせている。

「定時より早く来ないと、侑希は逃げ出すかもしれないだろう。絶対捕まえようと思って、早目に来て見張ってた。」

「分かったって返事したよね。」

私はムッとして彼の顔を見上げた。

まるで私が逃げるみたいじゃない。

「ずっと連絡くれなかったじゃない。これを逃すともう俺には手がない。」

「でも私の会社、よくここだと分かったね。」

私は不思議そうに、はみかみながら言った。

「侑希の話を少しずつつなげていって、最後は特殊な資料作りをしそうな会社に当たりを付けた。」

「本当によく分かったわね。私そんなに会社の事話してなかったのに。」
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