私の身体と心
「…じゃあ、どうして戻ってきたの?」

「あんな事があったけど、それは誰にも話さなかったの。そんな時、父が過労で倒れてね。今はもう全然大丈夫なんだけど、母が参ってしまって。母にも事情を話してなかった私には、帰るという選択しかなかった。おかげでちゃんと大学は卒業できたから、今の会社にも入れたけどね。」

「おかげで俺はこうやって侑希と出会えたんだな。」

ニッコリと笑い合う私達。

こんな些細な事が心地いい。

「実はもう少し俺の事を話さなきゃいけないんだけど、今度で良いかな?」

「何?」

私は不思議そうな顔をする。

「ちゃんと話したから、もう少し時間が欲しい。俺を信じてくれないかな?」

「恭弥がそう言うんなら。」

私はゆっくり頷いた。

「ごめんな。侑希とちゃんと向き合ってから話したいんだ。でも決して人様に言えない事じゃないから。ただ時間が欲しいんだ、俺に。」
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