傘をどうぞ。

けれど、曇っていて何も見えない。

いや、曇っているというより何かが灰色のねっとりしたものが、こべりついているみたい

ゾッと寒気がした

一体これは…

「お待たせいたしました。」

「・・・・・!!」

いきなり声をかけられたせいで、固まってしまう

振り向くと、少し笑った彼女の姿があって意外だった

さっきとは違い、目も笑っているように見えたからか

「驚かせてしまいましたか?」

「いえ…。気にしないでください」

「そうですか。では、商品はこちらです。お客様に合う傘はこれかと。」
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