傘をどうぞ。
頭上でなる音は、耳を切り裂くような音量のノイズのような音になった。

まだ、死にたくない…っ!

ザザザーッドンッ

激しい音がなった瞬間、最後の力を振り絞り立ち上がる。

風を切るように、血の雨の中を家に向かって走った。

まだ、死にたくない。ここで終わりなんて…なにかに殺されるくらいなら、いっそ最後まで。

血の水溜りの上をはねて、硬いアスファルトを駆け抜ける。

「はあ…っはあ。ついた。」

上がった息と怪我でふらつきながらも、玄関まで辿り着くことができた。

手元が震え、鍵が上手く刺さらない。
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