卯月の恋
歩き出そう、と足を一歩踏み出したら、地面がぐにゃりと揺れた。


あれ…。
なんで?
真っ直ぐ歩いてるつもりなのに、テーブルの角に足をぶつけてしまう。

「おっと。大丈夫?送るよ」

川崎さんが腕をつかんでくれたおかげで転ばずにすんだけど、目の前がぐるぐると回っていて、気持ちが悪い…。


先輩に送ってもらうなんて、申し訳ない。
大丈夫、少し酔っただけだし、タクシーに乗りさえすれば、きっと一人で帰れる…はず。




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