卯月の恋
外の冷たい空気を吸ったら、ずいぶん気分が良くなった。

「本当に大丈夫ですから。戻ってください」

川崎さんに体を支えてもらって歩きながら、何度も言う。


「ほら、タクシー乗るよ?うち、どのあたり?」


「一人で帰れますから…」


「俺ももう帰るから。途中まで一緒にかえろ?」


タクシーを止めた川崎さんがそう言ってにっこり笑う。


この人、本当にいい人だぁ。
イケメンだし、背は高いし、女の子の扱いはうまいし、いつも笑顔だし。

無愛想な玲音より、川崎さんの方がよっぽどホストっぽいのに。

あぁ、でもそんなことどうでもいい。
とにかく早く家に帰りたい。




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