卯月の恋
何度もソファで寝ます、と言ってるのに、玲音は余ってる布団がないから一緒にベッドで寝ろ、という。


「布団、なくていいです…」


「夜中にあの変なくしゃみが聞こえたら嫌なんだよ」


「変なくしゃみって…」


まぁそこは認める。よく犬みたいだと言われるし。


「俺はアンタは襲わない。この世に女がアンタだけだとしても襲わない」


「襲うとか、そういうのを心配してるんじゃ…ない…んです…」


「じゃあなに」


腕組みをして、私をにらみつける玲音を上目使いでちらちら見る。



「わ、私がドキドキして眠れないんです!」


そうよ!
言ってやった!
玲音が好きなんだもん。
好きな人の横でぐぅぐぅ寝れるわけないじゃん!!


「あ、そ」



あ、そ?

あ、そ、と言いました、今?


「…ひどい」


「寝れないなら、起きてりゃいいだろ。ベッドの中で!」



「…ひどい」



「もういい、電気消す」


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