君と二人で奏でる音
「男子とばっかり仲良くするなんて、
七海って変だよね。」
周りからも「ねー」と共感の声が上がった。
そのころ調度思春期に入りたてで、
みんな男子を毛嫌いするように避けていた。
それは男子も同じで、
女子と男子が一緒にいるのなんて、
私と透のところくらいだった。
私はそれになんの違和感も感じていなかったのだけれど、
他の人に言われてしまうと、
つい意識してしまう。
そこから、私は男子を…透を避けるようになり、
今までのように"傍にいられる存在"からどんどん離れていった。
寂しかった。
透が隣にいないことが。
それはずっと一緒にいたから、
急な環境の変化に慣れていないだけだって思っていたけれど、
それはどうやら違ったようだ。
それに気づいたのは、
ある日の女子たちとの会話だった。