君と二人で奏でる音
不思議に思って、
なんの話をしてたの?
と聞くと。
「今ね、みんなの好きな人聞いてたんだけど…」
話始めた女子が、
チラリと一人の女子に視線を向けた。
他の女子も、同じようにしている。
視線の先にはクラスでも可愛いと人気の紗理奈ちゃん。
「紗理奈ちゃんがね…
透くんのこと、好きなんだって!!」
興奮ぎみに彼女はそう言う。
「そうなんだ。応援するね。」
紗理奈ちゃんが透のことを好き…?
応援するね。
そういったとき、胸の奥がチクリと痛んだのを感じた。
このときはまだ、気づいていない。
私の本当の気持ち。