君と二人で奏でる音
でもやっぱり、
紗理奈ちゃんを応援するっていったのに…
私が、透を好きでいてもいいのかな。
目の前の"ライバル"をチラリと見て、
そう考えてしまうのが私だった。
でも紗理奈ちゃんは私の心を読んだようにこう言った。
「好きになったきっかけも、
好きになった時期も、
どれくらい好きかだって関係ないよ
…だって、私たち
"好き"って、透くんを思ってることは変わらないし、変えられないんだもん。
だからお互いに遠慮し合う必要もないんだよ。」
こんなことを笑顔で言える紗理奈ちゃんが、
純粋に凄いと思った。
こんないい子に好かれてる透が、
少しだけ羨ましく感じてしまうくらいだった。
言葉に詰まり、黙りこんでいると
今度は私の両肩をぽんっと軽く叩いて
「どっちが両思いになるのかも、
透くん次第だから。
一緒に、頑張ろうよ。」