君と二人で奏でる音
それからしばらくがたったある時。
私もとうとう決心をした。
「紗理奈。」
それは、もうそろそろ卒業シーズン、なんて言うほど辺りが寒くなってきた頃だ。
「…私、バレンタインに透に告白するよ」
私が力強くそう告げると。
紗理奈は自分のことのように応援してくれた。
頑張って、なななら大丈夫だよ
それには、本当の意志が含まれていると分かる。
話を聞けば、透のことは吹っ切れたそうで。
良かったと思うけれど、
急に、ある不安が襲ってきたりもした。
それは
……私が、振られるかもしれないっていう、当たり前の現実。