君と二人で奏でる音



ねぇ


声をかけられても、

私は上手く目を合わせることができない。



…私が目を反らしているだけだけど。






「間違えてたら、ごめん。」





彼は真剣な瞳で私に言う。




やめて。私は聞きたくないよ?





「もしかして、お前…」





私はそう言われてその場を走り出した。



彼に腕を掴まれたが、
それすらも振り切って。






嫌、いや、イヤ。





こんなのって、ないよ……!!







何度も人にぶつかり、

それでも走り続ける。



でも。




パシッ




後ろから、誰かに腕を掴まれた。






振り返りそこにいたのは…





「やっぱりお前、七海だろ?」






先ほど歌っていた男…



私の、"知り合い"の透。






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