笑って抱きしめて
頭をポンポンとする。
なにそれ、また心が破れちゃうよ。
「泣きたいんだろ?おいで。」
橘はそう言って腕を広げた。
おいでってこと?子供扱いされてる。
「励ましてくれなくていい。」
そう言って、橘の隣をすり抜けて
外に出る。
言葉とは裏腹に複雑な感情がまた溢れ出そうになる。
「かわいくねぇな。でも、お前のこと気に入ったかも。」
今日から彼のことは悪魔と呼ぼう。
私の心をこじ開けようとする、無責任な、悪魔。