イケメン無愛想S男子と契約を




私が告白なければならない相手


曽良 アオ

同い年の高校二年生。

そして読み仮名が


『そら あお』


と爽やかすぎるから
爽やか王子とも呼ばれている。

王子と呼ばわるのは、まぁ

予想通り


とても彼はかっこいい。


いわゆるイケメン。


運動も勉強もそつなく完璧にこなし、顔も整っていることから当然もてる。


のだが.....みんなは告白以外彼に寄り付かない。
というか、寄り付けない。


なぜなら来るもの拒まずの逆である

来るもの拒み、人を根っから嫌っているからだ。

そして、彼には友達という友達が1人もいない。



男子は彼への女子からの好意を憎み、彼が男子への態度もあり、もう彼と仲良くしたものを見つけるのは困難なのである。




そして私も、曽良さんはとてつもなく怖い。

だけど同じくらいに嫌われたくないと思う。
私に変な女子、嫌われ女子のレッテルを貼らないでほしいと願っている。



なぜかはわからない。


だけど彼にまで嫌われたらなにかが、終わってしまいそうで....



って、彼は1人だけど好かれているのに

私は友達がいるけど嫌われているけども。







「ゆーーーりっ!なに固まってんのぉ〜?」



「あ、あ、ごめん。ちょっと考えてた」



パンっと強くおでこにデコピンを食らわせたぶりっ子女子はケラケラと笑って私を睨みつけた。




「イイ?わかってる?楽しませてよー残酷な姿見せないでネっ!って、まぁ曽良くんに告白受け入れてもらえるわけないかぁ〜」




そうだよ...何が残酷な姿見せないで?


その姿をした私を見て面白がるくせに




「.....何も面白くなくない?だって...さ、告白して振られてるとこなんか面白くないでしょ。」



意地を張りつつ私はこのネタ脱却を望む。


君たちに反発したのは多分初めてかもしれない




「お、わかってんじゃん振られるってとこー」


「ぇーやだぁ〜!おもしろいじゃぁーん!告白するってとこが面白いのぉ〜!振られるなんてとっくにわかってるぅ〜」





ぶりっ子女子の肩を持つクールな女子は、フンと鼻で私をあざ笑い
ネチネチとしたキャピキャピ声で言い出しっぺは駄々をこねる。




こんなの本当にやっていきたくない。

もう、関わりたくないと何回も思う。


だけど.....抜け出せないのは自分のこの性格のせい。


もっと言ってやりたい。

気持ちよくなりたい。


全部吐き出して爽やか王子みたいに行きたいのに。





「いや、でもさぁ...他のにしようよー」




1人がとても怖すぎる。





「......イヤイヤ、もうさっきから聞いてたけど、私たちと話せてるだけでいいと思いなよ?いいから行ってこいって。今校庭の端で読書してるらしいよ。」




見るだけ、聞くだけ、傍観者系女子は

私にそう言った。




「なぁーに!早速いい感じじゃぁ〜ん!いっちゃえよー読書中すいましぇ〜ん!とか言ってきて砕けてきて〜!」


耳を塞ぎたくなるような気持ち悪いキャピキャピ声での台詞に

どこ情報なのそれ?とクール系女子は、口を挟むと傍観女子がツイッテーを小さく呟いた声が聞こえた。




.....本当どこもかしこも苛立ちが私を襲う







「...行ってくる」




こうなったら泣き寝入りするしかない。




振られて潔く笑われる



どうせ、ツイッテーとやらに

中澤ふられるwwwwwwwwww



と書き込まれるに違いない。


そして私は孤立する。




「行ってらっしゃぁ〜い!泣かないでねぇ〜」



カシャ



校庭の隅へ足を向かわせると後ろでクスクスとした笑い声と共にシャッター音が響いた。





.....人をそうやって写真に撮って何も面白いことなんかないっていうのに



世の中不公平だ
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