いと。

その日、薫は私のマンションに泊まった。

病院で貰った冊子を読んで、ミルクスープを作ってくれて、頭を動かすことすら苦痛で仕方ない私の世話をずっとしてくれた。

『今日は定休だし、ずっとそばにいるから 』

おでこにキスをしながらそう言って、寄り添って寝てくれた。


身体はすっごく苦しかったけど、心はとっても幸せだった。


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