いと。

「なぁ、愛。」

雄太くんを先に帰し、クローズの札をかけてからふたり向き合う。

話を切り出した薫は真剣だった。

「…なに?」

「LINK…辞めさせられたって…聞いた。」

………知ってたんだ。

「…うん。誰に聞いたの?」

「それはいいよ。それより………大丈夫なのか。」

こちらが苦しくなるくらいに薫も苦しい顔をしている。

当然、だよね。

きっと薫は動けないでいる。私とあの子たちに挟まれ、苦しんでいる。


そのしがらみを解くのは私の役目だ。


「うん。いっぱい怒ったし泣いたし、ショックだったけど、覚悟を決めたよ。」


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