いと。
眠ったおかげで幾分か軽くなった気のする身体をそっと持ち上げてベランダのカーテンを少し開く。
「わ…、こんな風に見えるんだ。」
広がっていたのは煌々と明るい都会の夜景で、どこまでも続くその煌きはなぜか…私を拒否しているように映った。
「…………夜景、好きか?」
すぐ後ろからそう声が響いてびくりとしてしまう。
…近づいてほしくなくて自然と一歩、離れた。
「いえ、キレイかもしれませんけど……、自分の居場所じゃないなって思います。」
……………あれ?
ふわりと香った彼の香水の香り。でも同時にほんの微かに…ポイントインの香りがした。