いと。
「………薫に、会いに行ったんですね?」
切ない視線を向けられ、驚いた。
「なんで………。」
「…だって、薫のお店の匂いがします。
どうしてわかったかは…わからないですけど。
………じゃあ、私は部屋に戻りますね。」
何も聞かず、自室に帰ろうとする愛を呼び止める。
「…おい!………聞かないのか?何をしに行ったのか。」
その声にピクリと反応した彼女は、振り返ることもなく返事を返した。
「聞きません。意味、ないですから。」
「………意味?」
「私、あなたのこと信用してないです。私が事実だとわかるのはあなたが薫のところに行ったってことだけ。
話を聞いてもその内容は本当かどうかわからないです。
………じゃあ、おやすみなさい。」
そのまま彼女は部屋に戻った。
そんなに信用ないか、オレって。