いと。
あいつの店であいつの話を聞いて…許せなかった。
感情に任せて声を荒げてしまった。
これでもかと言うほど苦しさを抱えても前を向こうとしている愛をまた元の苦しみに戻そうなんて。
強く生きようともがく彼女にこれ以上は辛い想いをさせたくない。
支えたいと…守りたいとさえ思った。
『オレが解放してやる』
『オレならしてやれる』
咄嗟に出たセリフは本心だった。
いつの間にか一人の女として…見ているのだろうか。
「…くそ。冷静に、ならないとな。」
手に入れてもどうせ捨てる女に、感情は無用だ。