いと。

「どれがいい?」

「…何がですか?」

強引さにうんざりしながら適当に返事を返す。

「………食器に決まってるだろうが。少食でもなんでもいいから食え。どの器ならちょうどいいんだよ。スープ一口くらいならいいだろ。」

カチャリと開けた食器棚を指差し私に選ぶことを促すと、仕方なくそちらに目を向けた私を見て彼はキッチンを出た。


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