いと。

LINKにいた頃の私は、毎日楽しくて幸せだった。仕事はまだまだだったけど、それでも少しずつ認められて、自分で自分を築き上げていることが嬉しくて。

「自信とか、夢とか希望とか、いっぱい詰まったキレイで凛とした笑顔だった。

迷いがなくて…まっすぐで。だからだんだん目が離せなくなったんだ。

無理やり辞めさせたのは親父でも追い詰めたのはオレも同じ。だから………あそこに戻って愛がまたあんな風に笑えるならって考えた。

でもそんな簡単じゃないよな。悪かった。もう言わねぇよ。」

いつも自信にあふれた彼の顔は、後悔の念のせいか寂しげに映った。

頬に触れてきた長い指の手からは、じわりと温もりが伝わった。

心地よい温もりが。


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