いと。
翌日、仕事に出るより早く家を出て愛を空港まで送った。
着くまでの間終始無言だった彼女はじっと前を見据えたまま無表情だった。
「行ってくるね。送ってくれてありがとう。」
明らかに作られた笑顔を向ける彼女は痛々しくすら感じて、
「…えっ、わっ!?んっ………!」
車を降りようとしたその腕を引き、強引に
キスをしてしまった。
「……そんな顔してないで、笑って行ってこいよ。帰り、待ってるから。」
オレが待ってるから何だって言われればそれまでだけど、嫌なことがあったとしても帰ってきたらちゃんと聞いてやるし癒してやる。
そう、伝えたかった。