いと。
翌日車で向かったのは、都会から少し離れた街だった。
指定されたカフェに入り、待った。
数分後………
「急になんだよ。」
現れたのは、多久島だ。
「………悪い。どうしても会って話したかったんだ。…座れよ。」
仕方ないと言わんばかりに一息外を見つめた多久島は向かい合わせに座った。
「………愛の攻略法なら教えないぞ。自分で何とか…」
「したよ。何とか。…スゲェ時間かけて。
………そうじゃないんだ。」
俺の言葉に一瞬ギョッとしたヤツは呆れ顔に変わって届いたコーヒーに手を伸ばす。
「じゃあなんだよ。モノにしたなら俺に用なんかないだろ?」
「……………。」
モノにした……か。
「………戸澤?」
「愛は……………いなくなった。
きっともう、戻らないつもりだ。」